日本には6852もの離島があり、そのうち313が有人島です。我が国に広く離島があることによって、日本は国土面積の12倍にも及ぶ世界有数の管轄水域を得ています。私の暮らす東京都小笠原村には、有人島が4つあります。一般住民が暮らす父島と母島。自衛隊員等が赴任する硫黄島と日本最東端の南鳥島です。また、無人島ですが日本最南端の沖ノ鳥島があります。
これらの島々はすべて小笠原村であり、日本の排他的経済水域の約26%を抱えています。小笠原諸島に村民が暮らしているからこそ、我が国の広大な海の領土と海洋権益を確保できます。
〜海底鉱物資源開発〜
離島の周辺海域にはメタンハイドレードや海底鉱物資源等の資源エネルギーが眠っています。日本最東端の南鳥島周辺では、日本と近隣諸国が海底鉱物資源のレアメタルの採掘に向けた国際競争を繰り広げています。
国は新しい海洋資源調査試験船を建造すべく、今年度200億円もの補正予算を計上しました。南鳥島のレアメタルにはハイブリッド自動車のモーターに使う原料(レアアース)が含まれているため、世界のハイブリッド自動車の普及と共に需要の高まりが期待されています。
また、伊豆諸島・小笠原諸島の西側海域にはベースメタル(銅、亜鉛、ニッケル等)の熱水鉱床があり、国は採掘に向けた調査を続けています。海洋の資源エネルギー開発は、数十兆円規模の国益をもたらすと言われており、離島は大きな役割を果たすことが期待されています。
〜防衛〜
防衛でも離島は国に大きな貢献をしています。日本の排他的経済水域の約60%以上は離島があることによって確保されており、日本の領土を守っています。小笠原諸島では硫黄島と南鳥島に自衛隊基地を配備しており、南方及び東方防衛の最前線で日本を守っています。
また、米軍は騒音等で国民に大きな負担を強いる夜間離着陸訓練(NLP)を硫黄島で実施しており、硫黄島がその役割を担っています。
〜防災〜
防災でも離島は本土の安全に大きな貢献をしています。今年1月4日、ニューギニア付近で発生した津波が気象庁の注意報が出る前に、50cmもの高さで小笠原に到達しました。極めて危険な事態でした。
気象庁は小笠原のデータを入れて再計算し、直ちに本土に向けて津波注意報を発令しました。この事態で、小笠原が日本の津波防災の最前線であり、国民の安全を確保する上で極めて重要な位置づけであることが浮き彫りになりました。
〜観光〜
離島は自然の宝庫であり、多くの観光客が訪れています。琉球列島は離島観光ブームの火付け役となり、屋久島は世界遺産観光の牽引役を果たしています。政府は2011年に小笠原諸島を世界自然遺産に登録すべく、2010年1月ユネスコに推薦書を提出する予定です。小笠原諸島は世界的な観光立島として、さらなる役割が期待されています。
〜日本を支える島づくり〜
離島は資源エネルギー開発、防衛、防災、観光等で我が国に大きな貢献をしており、今後もさらなる役割が期待されています。国の政策はこれまで「国が離島を支える」という視点でしたが、今後は「離島が国を支える」という視点に立って、次世代の島っ子達がより誇りを持てる離島に変えていかなければいけません。
小笠原は民間飛行場がなく、一週間に1便の船便で、航海に25時間半もかかる世界で一番遠い日本です。本土から遙か遠く離れた小さな島から、日本を支える島づくりをしていきたいと思っています。