今回の参院選では、民主、自民両党ともに比例代表で得票が伸びず、2007参院選より議席数を減らした。現在の非拘束名簿方式が導入された2001年以降、初めて個人名票の最高得票が100万票を切った。
政党名で投票する傾向が強まるなか存在感を示したのが、比例選の候補でありながら特定地域を地盤とする「地域型候補」だ。
非拘束名簿式は政党名でも個人名でも投票でき、その合計の得票によって各党が得た当選者枠の中で個人名票の多い順に当選が決まる。「地域型候補」は、今回当選者全体の4分の1超を占めた。
特に活躍が顕著だったのは「みんなの党」だ。比例選の9割以上が政党名簿だった同党では、わずかな個人名票で当選できる状態だったため地元から数万票を集められる「地域型候補」が続々と当選した。同党の桜内文城が集めた4万票の個人名票は、比例選の当選者の中で最も少なかった。各候補が集めた個人名票を都道府県ごとに見た場合、特定の都道府県の割合が大きい当選者の上位4人は「みんなの党」だった。
07年に岡山選挙区で落選した片山虎之助(たちあがれ日本)も、得票のうち6割以上を岡山県から集めた。昨年の衆院選で落選して今回くら替えした自民党片山さつき・佐藤ゆかりは、高い知名度と特定地域での個人名票でそれぞれ30万票近くを獲得して早々に当確を決めた。
「地域型候補」が善戦する中、保坂三蔵さんは例外だった。大票田の東京選挙区を地盤とする選挙を想定して目標20万票を目指したが、結果、東京64752票、合計81249票。大惨敗だった。
敗因はいろいろ考えられるが、「みんなの党」躍進もおり込み済みだし、地方議会出身で各級議員とのコミュニケーションは保坂さんなら密なはずだ。わたしも三年間の雪辱を期すべくなりふりかまわず戦った選挙は今回はじめてだった。
開票日早朝、知人からわたしのもとに怒りのメールが届いた。内容は選対幹部のHPを抜粋したものだった。
抜粋: 保坂君の場合、今まで区議、都議、国会と真面目に働いてきた人だけに、なんとも惜しいし残念でならない。私自身の生々しい敗北の時を想い、なんとかこの悲しみを乗り越えて、今後も後進の指導を行うなどともかく元気に活動して欲しいものだ。早朝、彼から「申し訳ありません」と涙ながらに直接電話があった。なんとも悲しくて胸がつまる思いだった。・・・・・・・・・・
世間はいつだって正義の味方である。口先上手なやからにだまされたと思えば逆上もする。「民主党よ、お前もか」と参院選で鉄槌を下したからこそ多くの国民は民主党の敗北があることを予測した。
政治を取り巻く世界には、狐や狸もいればひそかに味方を絞め殺す毒蛇もいる。この世界は、騙すより騙されるほうが悪いとされる過酷な世界だ。政治の世界の狐や狸は騙し上手が「上策」であると心得ているから始末におえない。
2011年統一地方選挙の自民党の敗北は確実であろう。もはや自民党の看板では戦えない。地域密着型の政策をかかげ、他人を信用せず、自民党から自分党に変身しなければこの身が持つまい。
保坂さんには「後進の指導」などという言葉に屈せず、これからも現役政治家として身をおいて欲しいと考えるのはわたしだけではないと思う。