かってホームレスは、役所に名称もなかった。因みに、路上生活者、住居不定者、野宿生活者、無宿人等々と嘘の様な話だが、法制定まで定まった名称が無かった。そして、対策の出費の責任は、自治体経費だった。従って、熱心に努力する街に誘蛾灯に誘われるようにホームレスが集まる。予算がもたない。それでも、「ホームレスは、繁栄の陰の部分。栄える街の宿命だ」と冷たくうそぶく関係者までいた。
経済的に発展を続ける新宿区は、新宿中央公園、戸塚公園、新宿駅前を中心に多くのホームレスがいた。見るに見かねて、区独自で、長く食料や日用品の提供を続けてきた。前任の小野田区長の時代に、放っておけないと声を上げて、区議会、都議会、国会と一体になって、ホームレス問題の解決を図ろうと提案し、都内版と全国版のホームレス問題会を立ち上げた。
大阪、名古屋、横浜、川崎、東京の五大都市で交流をし、全国一体になってやらねばならないと、ホームレス研究会を結成、大阪の谷川秀善参議院議員(現、幹事長)と保坂が代表になり、「ホームレス自立支援法」を、議員立法で定めた。
名称も世界共通用語のホームレスとし、国の責任で、ホームレスの定義、実態調査、自立支援施設の建設と支援活動、緊急支援体制、住宅、就労斡旋等々の対策を確立すると定めた。極めて、人道的な心温まる対策が始まった。新宿区は、中山弘子区長を先頭に、常に中心で頑張ってきた最大の功労者だ。
そして、新宿区は、法律制定後3年目、平成18年、「ホームレスの自立支援等に関する推進計画」(ホームレス白書)を刊行し、全国に、正しいホームレス対策を提案した。自治体初だ。
幸い、ホームレスの数は、着実に半減したが、又、今日は、景気の動向で雇用状況は悪化、加えて若者のライフスタイルから、ホームレスは増加傾向にある。そこで、今回2回目の「白書」を出したのだ。
第2期目のホームレス対策、「それぞれのタイプ・段階に応じた支援を目指して」を刊行する運びとなった。新宿区内のホームレスの実数は、最大数は、平成16年―982名から、今年―316名まで激減させた。その上、今でも、1.拠点相談、2.住宅斡旋、3.食料の提供、4.日用品の提供、5.無料シャワー、6.現地出張相談等々、全体で年間、約5千万円、(国補助7割)という出費を続けている。
だが、今も、ホームレスにからむ生活保護は激増中で、地元負担分は、耐えられないところまで来ているのが実態だ。白書は、対策の先進的施策も提案しており、第2期の対策と銘打った力作だ。
小生のホームページの「最近考えたこと」でも記したとおり、ホームレス対策は、新段階にきており、時限立法の切れる3年後も視野に入れねばならないだけに、大いに参考になる分析と提案だ。新宿区の熱意に、改めて謝意を表したい。
「ホームレスを、2012年に、限りなく0に近づけよう!」 が合言葉だ。