ラバウルからの便り

第23便 ココポ短期コース

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オイスカセンターでは長期5ヶ月コースと短期コースを行っている。短期コースは、基本的に2週間。内容により3・4週間であったりする。現在、ココポ地区の稲作研修を行っている。東ニューブリテン州(East New Britain Province)は、ラバウル、ココポ、ガゼル、ポミオの4地区(District)で構成され、その中は、LLG区(Local Level Gaverment)(郡のようなもの)があり、またその下にWard(部落)、その下にコミティが存在する。

ココポ地区は、4LLG区で構成され、今回、LLG区単位で短期コースを行っている。
1.3月1日から12日 Bitapaka LLG 28名
2.3月15日から26日 Kokopo Vunamami Urban LLG 32名
3.4月12日から23日 Raluana LLG 39名
4.5月17日から28日 Duke of York LLG 21名

人選は、ココポ地区Presidentが地区DPI Officer(農業普及局)に指示を出し、DPIより各Wardのカウンセラー(部落長)に人選を委任する。公の費用(スポンサーはココポ地区)を使っての研修なのでWardが偏らないよう分散した地域から人選するように要望している。身近な人優先になってはいけない。

昨年、Gazelle地区政府からGazelle地区稲作研修の人選を任されたコーディネーターが、自分の住む Reimber/Livuan LLGから、同LLG区研修(2009年6月1日?12日)の際34名を送り込んだ。(35名研修、残り1名はCIS Kerabat (Kerabatは町の名前)厚生施設(刑務所)看守)そこまでは良い。次に行ったInland Baining LLG研修(6月21日?7月3日)の際、Inland Bainingからの参加者が33名。他Reimber/Livuanからも8名、他知り合いを2名を参加させる(計43名の研修)。次に行ったLasul Baining LLG区(7月13日?7月24日)の場合、Lasul Bainingの参加者は28名、そこにもReimber/Livuanから10名、他知り合いを1名連れてきて、計39名の研修となる。

コーディネーターは自分の権力に酔いしれ誇らしげな顔をしていた。ワントーク(身内を優遇する)システムの典型だ。その反省から、人選は皆が納得いく方法で行うよう依頼したが、まだまだ完璧とは行かない。

集合場所を決め、オイスカのトラックで参加者をピックアップする。連絡が難しいため、また集合場所への交通手段がなかったとか、様々な理由を付け初日一度に集まったことはない。全員集まるまで2?3日かかる。待てないので、ある程度の人数が揃ったら開所式を行ってしまう。研修趣旨や私のたどたどしい挨拶、事務用品・筆記用具配布、オリエンテーションで始まり、教室での授業、実習等を織り交ぜ、2週間センターで生活する。

長期研修生と同じように、点呼、国旗掲揚、体操等一連の朝の行事から一日が始まる。ゲストハウスに宿泊。私と同じ宿舎だ。大変賑やかとなる。午前、午後、そして夕方もプログラムを組んでいるので夕方9時頃まで忙しい。その後フリーなのだが、気が合う仲間と夜遅くまで話したり、賛美歌を合唱したりしている。さすが12時を過ぎると早く寝るよう催促する。

食事を賄う方も大変だ。曜日毎の当番を決め、メインの女性スタッフ達を中心に、男性スタッフやグラディエーツ、またスタッフ夫人を一日3人ずつが入り準備する。食事は長期研修生より内容が良い。こちらの人はすごい量を食べる。日本人の2倍は食べるだろう。食事の量に不満があると「満足に食べさせて貰わなかった」という評判がスポンサーである地区政府に聞こえかねない。だが、食べ物の味には文句が出ない(日頃おいしいものを食べていないため)と見ているので、質はあまり気にしていない。肉や魚が入っていれば満足する。私は、Lanb Meet(羊の肉)が苦手だ。その臭さは、他の味覚を圧倒し、反吐がでる。しかし短期コースが滞在している時は、同じ食事をしているので(若干、自分でアレンジして炒めたり醤油味に代える)頑張って食べる。自分で作った方が自分の味に出来るので良いのだが、あまり身勝手は出来ない。

短期コース係は、ダニエル・ジョセフ(Daniel Joseph)(西日本と四国で研修)が責任者。ファームマネージャーも兼ねているので忙しい。初回のコース?は一人で講義、実習をこなしていた。

3月14日、日本からウィリー(ウィッチ)(Willie Balus)(西日本MUFG研修)が帰ってきた。第2回目2.から合流。ダニエルのやり方を学習。第3回目?からは、ウィリーが中心となって動いている。その助手としてPhilip Topital(昨年四国で研修)を付け、様々な世話をしている。

なぜ、稲作研修に地区政府やLLGが興味を持つようになったか。

カカオの病気の蔓延に起因する。これまでココナッツやカカオ栽培で多くの農家が現金収入を得てきた。だが、一昨年初めよりカカオの実に卵を産み付け、カカオを駄目にする蛾が大量発生した。センターのカカオ農園も大被害を受け、収量が6分の1に激減している。2008年は、収益(売り上げ高マイナス賃金)が11万6800キナあったのに対し、2009年度はマイナス5万7400キナ。相当な痛手だ。

農家やプランテーションは、カカオをあきらめ陸稲に乗り換えだした。経営者としては当然の選択だろう。私も現在42名いるプランテーションワーカーを解雇することを考えた。だが、何も手に職がない人達にとって帰る先はない。悲壮になっているワーカー達の顔を見た時、思いとどまった。お金だけの理由で路頭に迷わすわけにはいかない。ワーカーの家族、約200人も迷わすこととなる。

そこで思いついたのが昨年実施した森林保護キャンペーンだ。Lasul Baining区(前に便りに記載)やInland Baining区(11月に実施、便り未記載)(一部TBSが取材した)(テレビではその部分は放映されなかった)で実施した。

木を切るよりも保護や保全が大切だと、スタッフ総動員で原生林地域キャンペーンに歩いた。今ある原生林は保全が大切。人類の宝なのだと。このキャンペーン活動資金を日本へ申請したが、事業仕分けの煽りを受け却下された。自己資金でもやろうと心に決め、規模を縮小して実施した。

今、農家はカカオの木を伐採し、陸稲を植えている。望ましい方向ではない。カカオだって地温上昇を抑える大事な木なのである。短期コースの中でも、環境を考えた稲作栽培を教えている。

話しが横道に逸れてしまった。

最終日の金曜日は修了式。ココポ地区の有力者、ココポ地区DPI関係者、LLGのPresidentや実施Wardのカウンセラーや有力者を招待し、修了式典を行う。式典が終わるとリフレッシュメントといって、修了パーティが始まる。招待者や研修修了者は家族をたくさん連れてくる。200人位のパーティだ。皆心得た者で、洗面器を持ってくる。それに食べ物を入れ、持ち帰る。様々な食材を洗面器の中に入れる。ごちゃ混ぜ。センターの豚の食事を思わせる。

様々な地区有力者が参加し、また部落単位で人が来ていて、終了後まわりの人に宣伝する。マーケットや町を歩いていると、よく愛想良く挨拶される。私が誰なのかわかるらしい。こちらは皆同じように見えて、全く見覚えがない。ここ東ニューブリテン州のオイスカの認知度は高い。

全国各州から来ている長期研修生。州内隈無く浸透する短期研修。オイスカを地域に浸透させる両プログラム。あとは村作りの見本、モデルビレッジ、パラダイス村構想の実現だ。今、Sanbamで始めている。一部MUFGテレビ番組でジェロムの活動として紹介されたが、真意はわからない内容。番組の趣旨が違うのでテレビ局取材スタッフも十分に放映出来なかった。

機会があれば、Sanbam Projectを紹介したいが、もう少し後にしよう。

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執筆者プロフィール
澤井 勝之:岐阜県出身。中野学園(現オイスカ高校)卒業後、昭和52年オイスカ入り。中部センター・四国・青森・静岡など各地で組織を担当。またオイスカ高校で10年農業指導、本部でも3年勤務。05年4月より万博推進室部長として再び中部センターへ。平成18年12月パプアニューギニア・ラバウル研修センターへ異動。現在、同センターの所長を務める。

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