それにしても、昨年は、厳しい時代の幕開けを警鐘する年でした。まさか、アメリカの金融不安が、このように速く、規模も大きく影響を及ぼして来るとは、いささか、日本も、見通しが甘かったのではと反省せざるを得ません。その上、驚いたのは、アメリカは、その中で、大統領選挙を実施し、その後、就任前のオバマ氏が、いち早く、現在のブッシュ大統領と話し合って、300万人の新規雇用創出をはじめとする70兆円を超す経済対策を打ち出したことです。早く、思い切っては、常道なのです。

日本も、第一次、ニ次の補正予算、新年度の本予算案で、同規模の75兆円の景気対策を明らかにしておりますが、ねじれ国会がことごとく影響を及ぼし、打つ手に遅れをとっているのです。問題は、労働者の雇用対策を含む経済計画が、画餅に等しくなっていることです。政局を優先し、結果的に、景気対策を遅らせている民主党の現在の姿勢を.なぜ、打破できないのでしょうか。
私は、失業し、住いを失って越年できない人々を、緊急に受け入れたテント村を、日比谷公園に見ました。まるで、大地震後の避難住民救済の現場でした。企業の急激な業績悪化は分かりますが、まさか、年末にとの、嘆きと怒りの声ばかりでした。
そもそも、平成16年に改正された労働者派遣法は、「規制改革」の目玉でした。しかし、物づくりの現場の期待に応える存在であった筈の派遣労働者が、気がつけば全体の1/3を超し、職場は、期限付きの派遣労働者、非正規雇用労働者が当たり前の状態になっていました。その結果、このように、企業が、景気変動の矢面に立つと、真っ先に調整の役割を担わされ、整理される仕組みなのです。こんな不安定な雇用の状態では、社会不安が起きても仕方ありません。株主が大事なことは当然としても、働く人を大事にする日本型の雇用関係は、一体どこへいったのでしょうか。

私は、5年前に、ホームレス自立支援法を、議員立法で制定に成功し、心ならずもホームレスになった国民の支援は、国の責任と明示しました。失われた10年で失職した人々を、早期に、職場、家庭、社会に復帰できる道筋を立てたのです。幸い、景気回復にも支えられ、日本中に6万人もいた路上のホームレスは、1/3以下、2万人弱まで減り、多くの人々を救済できました。
しかし、新たな状況がこのように突然起きて、構造的に定着でもしたらと思うと、いても立ってもいられません。
いずれにせよ、政府と与党自民・公明両党は、支援の強化を図り、先ずは、中小企業を含む企業の倒産を防ぎ、又、自力を温存する企業には、ワークシェアリング等を駆使しても、これ以上の内定取り消しや、派遣切り等を中心とする人員整理を進めぬよう、強力に、経済界に要請を行うべきと考えます。
派遣労働者を中心に、現在、既に2万人、そして年内には更に6万人、最悪10万人が失職し、路頭に迷うとなったら、一体、日本社会は、どうなるのでしょうか。又、形は、インターネットカフェで、一晩1500円で過ごす人々も、ホームレス予備軍で、1万人とも言われる昨今、今、何とかせねばの声に応えねばなりません。東京都など各自治体も、住宅確保や創業など支援体制に入っていますが、先ずは,政府と財界の決断です。
場合によっては、政府による失業対策事業を復活する必要性も検討するべきです。
そして、本当に、3年以内をめどに、日本が、不況から、いち早く脱出するという麻生政権の公約を、実現させるには、新年の会見で明らかにされたように、先ずは、雇用対策を最優先して実行するよう、精一杯の努力を望むものです。これこそ、実になる景気対策です。