26日、麻生総理は、麻布の韓国大使館を、自殺したノムヒョン前大統領の弔問のため訪問した。その日、衆議院は、北朝鮮の核実験に抗議する決議を採択し、翌日、参議院も全ての会派が賛同して抗議決議を行い、日本国民の抑えがたい怒りを、世界に発信した。
北朝鮮は、金正日体制維持のためには、どんな手立てでもとる姿勢を貫き、同胞韓国の民間機を爆破することから、他国の国民を拉致したり、核実験やミサイル発射実験を強行するなど、およそ国連加盟国としては考えられない蛮行を繰り返している。
日、中、露、米、韓、北朝鮮の六ケ国協議の枠組みが有るものの、その場さえ、取引の舞台にする外交は、「したたかさ」を通り越して「やりたい放題の暴挙」なのだ。
日本政府は、これを最大の脅威と感じ、又、拉致事件もあり、一段と苦慮している。対話と圧力を基本戦略とするが、残念ながら、実効性が上がっていないのが実情だ。
しかし、元々同胞の韓国は、もっと複雑な悩みをもっている。10万の北朝鮮軍が38度線を越えて南に攻め入り、同胞が戦いあった朝鮮動乱(1950--53)から半世紀をへて、尚、戦時体制下にある。この間、一貫して強気で恫喝を続ける北に、韓国は耐えてきた。因みに、拉致事件では、日本の比ではない被害実情も表に出さず、歴代大統領は、北の変化を待ち続けたのだ。その象徴が、キムデジュンとノムヒョン大統領だった。経済では日本同様の発展を実現しながら、「北へは、太陽政策」、「日本には,ことのほか厳しい対応」だった。考えてみれば、38度線で分断されている国家は、既に、類例が無い。日本で考えれば、東北・北海道と関西、四国九州が、関東地方で分断されて半世紀も経ったという状況ではないだろうか。親子兄弟、親戚の生き別れもあろう。日本では、分からない悩みがベースにある。
昨今、北では、指導者の交代も囁かれているが、南北平和的な統一の風は、いつ、吹くのだろうか。大きな譲歩と、決断で実現した東西ドイツが統一して19年となる。東は体制を捨て、西は経済支援を覚悟し、東西ベルリンの壁を崩した。
朝鮮半島も、何処かで,誰かが紐を引かねばならない。
韓国は、26日、PSI(大量破壊兵器拡散阻止構想)に全面参加すると発表し、北に圧力をかけたが、これに対し、北朝鮮は、韓国のPSI参加を「宣戦布告とみなす」と警告し、事態の推移では、軍事行動も辞さないとまで恫喝を続けているのだ。
27日、日本の国会では、麻生vs 鳩山両代表のテレビ討論が行われたが、両党首の口から、遂に一言も、これらに触れる討論が無かったのは、残念の極みだ。韓国の悩み、苦しみに理解と危機感の共有をすることは、今こそ重要な時はないのではないだろうか。