参議院選が敗北して丁度2年だ。あの結果は、何だったのか。衆議院では、与党が2/3を占める超安定状態、与野党逆転の参議院で法案がとどこおると、憲法上の優越権が生きた。挙句の果て、参議院の不要論まで出てきた。参議院敗北の事実と反省は風化しつつあった。しかし、巷ではどうだろう。
実は、あの時吹いた風の流れは、まだ継続していたのだ。年金、高齢者医療、介護、医療現場など社会保障全体の不安、金融改革、財政改革、少子化対策、公務員制度改革、道路問題等々、急速に進めた改革の光と影、いわば影の部分の顕在化だ。このように課題が山積する中、突然、アメリカ発の世界同時不況が襲ってきて、やっと回復軌道に乗った日本経済は引き付けを起こした。雇用不安や不況感から、国民生活が漂流化を始めたという危惧は、一気に政権と与党に向き不満の鬱積となった。次第にマグマとして溜まり、いつ爆発してもおかしくなかった。特に、東京など都市部は、勤労者が多く若い、子育て世代の生活は安定に至っていない。
金銭などのスキャンダルが、濃い味付けとなる。そして、リーダーが、毎年変わる。
一方、石原都政は、課題こそあれ、全体に順調で、与党の自民党もしっかりやっていた。インフルエンザ対策、中小企業対策、少子化、環境対策と国をリードした。
それを証拠に、石原知事提案の議案に、民主党は、99%賛成していた。いわば、争点の少ない選挙だった。しかし、民主党は、衆議院での与野党逆転のチャンス到来と見るや、静岡知事選、都議選とも「政権交代」をマニフェスト(公約目論見書)のメインテーマに持ってきた。都政に関係なく、政権交代、チェンジと叫ぶ。
一度やらせて見てはと、平気で囁かれるようになった。
注視すべきは、マスコミの世論誘導だ。その主な手法、レトリックは、日本人は貧乏で貧しく、将来に希望はない。政治家や役人のみが特権を謳歌している。今こそ、大衆は立ち上がらねばならない。このセリフ、どっかで聞いたことがある。
都議選の結果は、都議会自民党と公明党の与党が、過半数を割った。有能で、政治力があって、国や他県の議員まで動かしたリーダーから、明日に期待される若手俊英が、枕を並べた。麻生さんも、内部に異論がある中、自民の殆どの候補者を回り激励した。サミットに出た後は、石原都知事が、全都を応援に回った。危機感に充ちた陣営は、必死に戦った。掛け値なしで、こんな選挙は、見たことが無いという程、努力した。
当日は、曇り、投票率は、10%も増えた。
「7/21解散、8/30投票」と言われる、衆議院選挙が近づいてきた。
またまた、自民党の顔を変えて戦いたいと言う声が上がっている。今更、武士らしくないという気がしてならない。
犠牲になって落選した都議候補が、涙を抑えながら、「次の衆議院選挙で、わが代議士の再選のため頑張ることから、自らの再スタートにしたい」と決意を述べた。みんな泣いた、同じ気持ちなのに。