若さの魅力は、今更述べる必要がない。又、遡れば、明治維新も、若い下級武士が、主役となった。洋の東西、古今を問わず、青年は、時代を拓く原動力になる。春秋に富み、何度も失敗が可能だ。常に、失敗を恐れぬエネルギーがある。「愚者は、経験に学び、賢者は、歴史に学ぶ。」 というビスマルクの言葉もある。
ところで、最近の選挙は、「若さ」と「女性」が、すっかり勝ちパターンに定着した。だが、待って欲しい。順風や凪(なぎ)の時は良い。しかし、一度混乱の嵐になった時はどうだ。若さは、攻撃には強いが、守りでは、すぐバラバラとなる。今回の解散に伴う政局の中で、騒いで、自己保身に走り、自らを失ったのも若さだった。愚直を嫌い、新規を追う性向だ。
となると、本当に経験に学ぶことは、悪いことなのか。
取り分け、修羅場化する戦場では、冷静な判断は、ベテランに強みがある。
今、長寿世界一の日本、定年も延長せねばという時勢の中、その代表の座は、若い層だけが許される特権だろうか。歴史を教える書物の著者や聖人は、若い人ではない。
最近、元都議会議長だった渋谷守生先生(88才)が、将棋界最高の賞「大山康晴賞」を受賞し、関係者が、受賞祝賀会を催した。渋谷先生は、六段で、東京都アマチュア将棋連盟の会長を務め、町田市内には、将棋・囲碁サロン「桂」を開設、将棋の魅力を伝え,多くの棋士を育だててきた功労者だった。何と、日本将棋連盟会長で、名人位の米永邦雄先生も、このサロン出身者という。渋谷先生は、米永さんを東京都教育委員に推薦し、東京の教育の責任者にもなった経緯もある。
受賞は、現役としての評価で、「ご苦労さん賞」ではないとのこと。
祝賀会には、米永名人、かすや自民党都連最高顧問をはじめ、多くの友人知己が招かれたが、先生の謝辞は、意気軒昂、今日の選挙や政治を快刀乱麻で分析した。
そういえば、元都議会議長で千代田区長だった木村茂氏(83才)が、4月に千代田区名誉区民になったが、都議会議員待遇者会(OB会)の会長に就任し、会員に、今こそ先輩がしっかりして欲しいと、発破をかけている。 周りをみても、年配者の存在感は、決して小さくない。後期高齢者医療制度で虐げられ、その層の代表が選挙に出れば,歳を問われる。これでは、政界は、「世襲」で、若くして当選する一部の層が中心に独占されるとぼやいたOBの言葉は、自嘲気味だったが、深刻な問題提起をしている。
アメリカでは、「アフター50」が、社会の重要なテーマとなっている。