最近考えたこと

朝青龍が失敗で引退した。相撲が寂しくなる。モンゴルを親日国に変え、相撲の人気回復に貢献した若者だったが、悔しい。

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貴乃花親方が、慣習に挑戦し相撲協会の理事に当選、角界に、新しい何かが起きるのではというニュースが話題を呼んでいた時、人気、実力の朝青龍の引退の報が飛び込んできた。

昨今の角界は、外国人力士が増え、当代横綱が東西二人ともモンゴル人、日本の国技が外国人に席巻されたと自虐的な意見が渦巻く一方、相撲人気回復に大いに貢献した彼らに、賞賛の拍手も当然あり、外国人への門戸開放問題に柔軟な世論が起きつつあった。

朝青龍の人気は絶大で、彼は、横綱の求められていた条件「絶対的な強さ」に答えを出していた。優勝賜杯の獲得25回、前人未到の7連勝、年間全場所制覇等々だから、無類の強さで相撲史に朝青龍時代と明記した。やんちゃで、枠にはまらないところも人気の一面だが、一方、何度も事件を起こし、横綱の品性が問われ、親方を振り回した。そして、今回は、場所中に酒に酔って、しかも、一般人に怪我を負わせたのだから、仕方ない結果ともいえる。

しかし、朝青龍は、未だ29歳の青年だ。日本の国技、相撲界の頂点に立つ「日の下開山・横綱」だから、常に品格を求められ続けた。勝ってガッツポーズが批判され、土俵で相手をにらんで叩かれ、故郷のモンゴルに帰国しても日本社会の目は光っていた。 朝青龍は、少年時代にモンゴル相撲で頭角を現しており、天才的な逸材と明徳義塾高校の吉田監督が発掘、相撲留学で日本に招いた。その後、高校中退で角界入りし、猛スピードで出世した。天与の才能が日本の土俵で花開いたのだ。

考えてみれば、外国人関取は、未だ若い少年時代から、祖国を離れ、言葉も食習慣も違う異国で頑張り続ける。朝青龍の場合、祖国でのモンゴル相撲は、「土俵も無い草原で、相手を倒せば正義」の世界で育ってきた若者だ。横審の内舘牧子さんが言うように「アスリートとしては最高、横綱としては最低」というが、もう少し、のりしろがあっても良かったではないかと思えてならない。

モンゴルは、つい10年前まで社会主義国、相撲は最高の人気だ。6局あるテレビ局は、場所中、毎日生放送で相撲を中継、テレビの前は黒山の人だかり、相撲人気はそのまま日本びいきになった。元関脇、旭鷲山は、帰国後、国政に転じ見事トップ当選の栄誉に輝やく恩恵に浴した。勿論、トップの朝青龍は、国民的英雄なのだ。ましてもや、白鵬が育ち、両巨頭の激突に固唾を呑む人々は、朝青龍が、何で辞めるのか分からないと言い放つ。又、日本は分からない国と呼ばれそうな求道的な難しさの国なのかともいう。

折から、相撲協会の新役員が決まった後だけに、厳しい対応に傾注した結果であったろう。

今は、朝青龍の穴を埋める実力者や人気者の出現を願うばかりだ。それにしても、朝青龍の引退は寂しい限りだが、これを機に、協会は、外国人力士を日本社会が育てるような育成策や、角界の人気回復策にも十分努めてもらいたいものだ。

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