この日、NHKスペシャルで、「最強の道を目指す、横綱白鵬の強さ」という科学 的分析の番組があった。白鵬が、僅か4時間前に、5場所連続、17 回目の優勝を飾っ ていたので、この放送が、大変な説得力が出た好番組となった。
それに付けても、若干25歳の白鵬の人間的な魅力は何なんだろう。今場所2日目、双 葉山の69連勝を追い抜く勢いで臨んだ勝負だった。先場所、敗北した稀勢の里に又も や敗れてしまった。所詮、白鵬も人間だなあと感じたが、そこからの白鵬は違った。 かって、双葉山は、70連勝目を、安芸の海に阻止された後、何と3連敗もしてしまう のだ。緊張の連鎖が切れた鉄人も人間だったのだ。
しかし、白鵬は、負けた翌日から、再び勝ち続けるのだ。結局、13連勝、しかも、優 勝決定戦で勝って14勝1敗で優勝する。何と言う気力だろう。あの双葉山も大鵬もな し得なかった大記録だ。
NHKの番組では、白鵬が、場所前に、双葉山の故郷大分県を訪ねている。記念館の 居間にある、双葉山が正岡正篤から贈られ、生涯、座右の銘とした一幅の書「我れ、 未だ、木鶏足りえず」、慢心の心を諌めた荘子の語という。この書に、双葉山を準 え、線香を手向けてお参りしている。又、双葉山関の連勝記録を簡単に抜いて良いの だろうかといったとも言われる。
連敗が途切れた後の白鵬は、又一歩、双葉山に近づ いた感じだ。色々有りすぎて窮地にある日本の国技相撲を引っ張る69代、日下開山、 白鵬翔。本名、ムンフバトー・ダヴァジャガル、モンゴル出身、25歳。二児の父。趣 味、読書、チェス、テレビゲーム。日本人以上の日本人、白鵬に何と教わることが多 いことなのだろうか。